虫垂カルチノイドとは、虫垂(ちゅうすい)に生じる稀ながら特徴的な病気の一つです。虫垂は、盲腸の先端にある袋状の器官であり、通常はほとんど機能を持たない部位です。しかし、稀に虫垂に腫瘍が生じることがあり、その中でもカルチノイド腫瘍が発生することがあります。
カルチノイド腫瘍は、神経内分泌細胞から生じる腫瘍であり、ほとんどが良性の腫瘍です。虫垂カルチノイドは、腹痛や腹部腫脹、発熱、嘔吐、下痢などの消化器症状を引き起こすことがあります。また、進行すると転移して他の臓器に影響を及ぼすこともあります。
虫垂カルチノイドの診断は、腹部のCTやMRI検査、内視鏡検査などを行い、病変の大きさや位置、転移の有無などを確認します。治療法としては、手術による腫瘍の摘出が主な方法となります。腫瘍が小さい場合や転移が進んでいない場合は、手術だけで完治することができることもあります。
虫垂カルチノイドは、一般的には稀な疾患であるため、一般の人が注意すべき病気とは言い難いかもしれません。しかし、腹痛や消化器症状が続く場合は、虫垂カルチノイドなどの消化器系の疾患も考えられるため、早めの医師の診断を受けることが重要です。異変を感じたら、すぐに専門家に相談しましょう。